サービス付高齢者賃貸住宅
●サービス付き高齢者向け住宅
サービス付き高齢者向け住宅の特色
①バリアフリー構造
②一定の面積や設備が確保されている。
③ケアの専門家等による安否確認サービス、生活相談サービス
規模・施設
- 各専用部分の床面積
原則25㎡以上(ただし、居間、食堂、台所そのほかの住宅の部分が高齢者が共同して利用するため十分な面積を有する場合は、18㎡以上)
- 各専用部分に、台所、水洗便所、収納設備、洗面設備、浴室を備えたものであること
(ただし、共用部分に共同して利用するため適切な台所、収納設備または浴室を整えることにより、各戸に備える場合と同等以上の居住環境が確保される場合は、各戸に台所、収納設備又は浴室を備えずとも可) - バリアフリー構造であること
段差の無い床、手すりの設置、廊下幅の確保
サービス
- 安否確認サービスと生活相談サービスの提供
ケアの専門家等が少なくとも日中建物に常駐し、これらのサービスを提供します。
- ケアの専門家とは
社会福祉法人、医療法人、指定居宅サービス事業所等の職員
医師、看護師、介護福祉士、社会福祉士、介護支援専門員
ホームヘルパー1級または2級の資格を保持する者
これらのサービスの他に、介護・医療・生活支援サービスが提供・併設されている場合があります。どういったサービスが利用可能なのか、入居前に事業者の方からの説明を聞き、比較検討することが大切です。
契約関係
- 書面による契約を締結する。
- 賃貸借方式の契約と利用権方式の契約がありますが、いずれの場合も、長期入院などを理由に事業者から一方的に解約できないことに成っている等、居住の安定が図られた契約内容になっていなければなりません。
- 受領することができる金銭は、敷金、家賃・サービスの対価のみです。権利金やその他の金銭を受領することはできません。
- 家賃・サービスの対価の前払金を受領する場合
- 前払金の算定の基礎、返還債務の金額の算定方法が明示されていなければなりません。
- 入居後3ヵ月以内に、契約を解除、または入居者が死亡したことにより契約が終了した場合(契約解除までの日数×日割り計算した家賃等)を除き、前払い金を返還しなければなりません。
- 返還債務を負うことになる場合に備えて、前払金に対し、必要な保全措置が講じられていなければなりません。
- サービス付高齢者向け住宅の工事完了前に、前払金を受領することはできません。
高齢者の居住の安定確保に関する法律(平成十三年四月六日法律第二十六号)
(目的)
第一条 この法律は、高齢者が日常生活を営むために必要な福祉サービスの提供を受けることができる良好な居住環境を備えた高齢者向けの賃貸住宅等の登録制度を設けるとともに、良好な居住環境を備えた高齢者向けの賃貸住宅の供給を促進するための措置を講じ、併せて高齢者に適した良好な居住環境が確保され高齢者が安定的に居住することができる賃貸住宅について終身建物賃貸借制度を設ける等の措置を講ずることにより、高齢者の居住の安定の確保を図り、もってその福祉の増進に寄与することを目的とする。
(認可の基準)
第五十四条
都道府県知事は、第五十二条の認可の申請があった場合において、当該申請に係る事業が次に掲げる基準に適合すると認めるときは、同条の認可をすることができる。
一 賃貸住宅が、次に掲げる基準に適合するものであること。
イ 賃貸住宅の規模及び設備(加齢対応構造等であるものを除く。)が、国土交通省令で定める基準に適合するものであること。
ロ 賃貸住宅の加齢対応構造等が、段差のない床、浴室等の手すり、介助用の車椅子で移動できる幅の廊下その他の加齢に伴って生ずる高齢者の身体の機能の低下を補い高齢者が日常生活を支障なく営むために必要な構造及び設備の基準として国土交通省令で定める基準に適合するものであること。
二 賃貸住宅において、公正証書による等書面によって契約をする建物の賃貸借(一戸の賃貸住宅の賃借人が二人以上であるときは、それぞれの賃借人に係る建物の賃貸借)であって賃借人の死亡に至るまで存続し、かつ、賃借人が死亡した時に終了するもの(以下「終身建物賃貸借」という。)をするものであること。ただし、賃借人を仮に入居させるために、終身建物賃貸借に先立ち、定期建物賃貸借(借地借家法第三十八条第一項の規定による建物賃貸借をいい、一年以内の期間を定めたものに限る。次号において同じ。)をする場合は、この限りでない。
三 賃貸住宅の賃借人となろうとする者(一戸の賃貸住宅の賃借人となろうとする者が二人以上であるときは、当該賃借人となろうとする者の全て)から仮に入居する旨の申出があった場合においては、終身建物賃貸借に先立ち、その者を仮に入居させるため定期建物賃貸借をするものであること。
四 賃貸住宅の賃貸の条件が、権利金その他の借家権の設定の対価を受領しないものであることその他国土交通省令で定める基準に従い適正に定められるものであること。
五 賃貸住宅の整備をして事業を行う場合にあっては、当該整備に関する工事の完了前に、敷金を受領せず、かつ、終身にわたって受領すべき家賃の全部又は一部を前払金として一括して受領しないものであること。
六 前号の前払金を受領する場合にあっては、当該前払金の算定の基礎が書面で明示されるものであり、かつ、当該前払金について終身賃貸事業者が返還債務を負うこととなる場合に備えて国土交通省令で定めるところにより必要な保全措置が講じられるものであること。
七 第二号から前号までに掲げるもののほか、賃貸住宅の管理の方法が国土交通省令で定める基準に適合するものであること。
八 その他基本方針(当該事業が高齢者居住安定確保計画が定められている都道府県の区域内のものである場合にあっては、基本方針及び高齢者居住安定確保計画。第六十五条において同じ。)に照らして適切なものであること。
第五章 終身建物賃貸借
(事業の認可及び借地借家法の特例)
第五十二条 自ら居住するため住宅を必要とする高齢者(六十歳以上の者であって、賃借人となる者以外に同居する者がないもの又は同居する者が配偶者若しくは六十歳以上の親族(配偶者を除く。以下この章において同じ。)であるものに限る。以下この章において同じ。)又は当該高齢者と同居するその配偶者を賃借人とし、当該賃借人の終身にわたって住宅を賃貸する事業を行おうとする者(以下「終身賃貸事業者」という。)は、当該事業について都道府県知事(機構又は都道府県が終身賃貸事業者である場合にあっては、国土交通大臣。以下この章において同じ。)の認可を受けた場合においては、公正証書による等書面によって契約をするときに限り、借地借家法(平成三年法律第九十号)第三十条の規定にかかわらず、当該事業に係る建物の賃貸借(一戸の賃貸住宅の賃借人が二人以上であるときは、それぞれの賃借人に係る建物の賃貸借)について、賃借人が死亡した時に終了する旨を定めることができる。
(賃借人による終身建物賃貸借の解約の申入れ等)
第五十九条 終身建物賃貸借においては、賃借人は、次の各号のいずれかに該当する場合には、当該賃貸借の解約の申入れをすることができる。この場合において、当該賃貸借は、第一号から第三号までに掲げる場合にあっては解約の申入れの日から一月を経過すること、第四号に掲げる場合にあっては当該解約の期日が到来することによって終了する。
一 療養、老人ホームへの入所その他のやむを得ない事情により、賃借人が認可住宅に居住することが困難となったとき。
二 親族と同居するため、賃借人が認可住宅に居住する必要がなくなったとき。
三 認可事業者が、第六十八条の規定による命令に違反したとき。
四 当該解約の期日が、当該申入れの日から六月以上経過する日に設定されているとき。
(強行規定)
第六十条 前二条の規定に反する特約で賃借人に不利なものは、無効とする。
(賃借人死亡後の同居者の一時居住)
第六十一条 終身建物賃貸借の賃借人の死亡(一戸の認可住宅に賃借人が二人以上いるときは、当該賃借人の全ての死亡。以下この条及び次条において同じ。)があった場合又は期間付死亡時終了建物賃貸借において定められた期間が満了する前に当該期間付死亡時終了建物賃貸借の賃借人の死亡があった場合においては、当該賃借人の死亡があった時から同居者(当該賃借人と同居していた者(当該建物の賃貸借の賃借人である者を除く。)をいう。以下この条において同じ。)がそれを知った日から一月を経過する日までの間(次条第一項に規定する同居配偶者等であって同項又は同条第二項に規定する期間内に同条第一項本文又は第二項に規定する申出を行ったものにあっては、当該賃借人の死亡があった時から同条第一項又は第二項の規定による契約をするまでの間)に限り、当該同居者は、引き続き認可住宅に居住することができる。ただし、当該期間内に、当該同居者が死亡し若しくは認可事業者に反対の意思を表示し、又は従前の期間付死亡時終了建物賃貸借において定められた期間が満了したときは、この限りでない。
2 前項の規定により引き続き認可住宅に居住する同居者は、認可事業者に対し、従前の建物の賃貸借と同一の家賃を支払わなければならない。
(同居配偶者等の継続居住の保護)
第六十二条 終身建物賃貸借の賃借人の死亡があった場合において、当該認可住宅に当該賃借人(一戸の認可住宅に賃借人が二人以上いたときは、当該賃借人のいずれか)と同居していたその配偶者又は六十歳以上の親族(当該建物の賃貸借の賃借人である者を除く。以下この条において「同居配偶者等」という。)が、当該賃借人の死亡があったことを知った日から一月を経過する日までの間に認可事業者に対し認可住宅に引き続き居住する旨の申出を行ったときは、認可事業者は、当該同居配偶者等と終身建物賃貸借の契約をしなければならない。ただし、当該申出に併せて第五十七条の規定による申出があったときは、当該同居配偶者等と期間付死亡時終了建物賃貸借の契約をしなければならない。
2 期間付死亡時終了建物賃貸借において定められた期間が満了する前に当該期間付死亡時終了建物賃貸借の賃借人の死亡があった場合において、同居配偶者等が、当該賃借人の死亡があったことを知った日から一月を経過する日までの間に認可事業者に対し認可住宅に引き続き居住する旨の申出を行ったときは、認可事業者は、当該同居配偶者等と当該期間が満了する時まで存続する期間付死亡時終了建物賃貸借の契約をしなければならない。
3 前二項に定めるもののほか、前二項の規定により契約する建物の賃貸借の条件については、従前の建物の賃貸借と同一のもの(前払家賃の額については、その算定の基礎が従前の前払家賃と同一であるもの)とする。
(借賃改定特約がある場合の借地借家法の特例)
第六十三条 借地借家法第三十二条の規定は、終身建物賃貸借において、借賃の改定に係る特約がある場合には、適用しない。
(譲渡又は転貸の禁止)
第六十四条 認可住宅の賃借人は、その借家権を譲渡し、又は転貸してはならない。
高齢者の居住の安定確保に関する法律施行規則
(平成二十三年八月十二日厚生労働省・国土交通省令第二号)
(状況把握サービス及び生活相談サービスの基準)
第十一条 法第七条第一項第五号の国土交通省令・厚生労働省令で定める基準は、次のとおりとする。
一 イ及びロに掲げる者のいずれかが、原則として、夜間を除き、サービス付き高齢者向け住宅の敷地又は当該敷地に隣接する土地に存する建物に常駐し、状況把握サービス及び生活相談サービスを提供すること。
イ 医療法人、社会福祉法人、介護保険法第四十一条第一項に規定する指定居宅サービス事業者、同法第四十二条の二第一項に規定する指定地域密着型サービス事業者、同法第四十六条第一項に規定する指定居宅介護支援事業者、同法第五十三条第一項に規定する指定介護予防サービス事業者、同法第五十四条の二第一項に規定する指定地域密着型介護予防サービス事業者若しくは同法第五十八条第一項に規定する指定介護予防支援事業者が、登録を受けようとする者である場合又は登録を受けようとする者から委託を受けて状況把握サービス若しくは生活相談サービスを提供する場合(医療法人にあっては、医療法(昭和二十三年法律第二百五号)第四十二条の二第一項に規定する社会医療法人が提供する場合に限る。)にあっては、当該サービスに従事する者
ロ イに規定する場合以外の場合にあっては、医師、看護師、介護福祉士、社会福祉士、介護保険法第七条第五項に規定する介護支援専門員又は介護保険法施行規則(平成十一年厚生省令第三十六号)第二十二条の二十三第一項の一級課程若しくは二級課程を修了した介護保険法施行令(平成十年政令第四百十二号)第三条第一項の養成研修修了者
二 少なくとも前号イ又はロに掲げる者がサービス付き高齢者向け住宅の敷地又は当該敷地に隣接する土地に存する建物に常駐していない時間においては、各居住部分に、入居者の心身の状況に関し必要に応じて通報する装置を設置して状況把握サービスを提供すること。
(家賃等の前払金の返還方法)
第十二条 法第七条第一項第六号ホの国土交通省令・厚生労働省令で定める一定の期間は、次に掲げるものとする。
一 入居者の入居後、三月が経過するまでの間に契約が解除され、又は入居者の死亡により終了した場合にあっては、三月
二 入居者の入居後、法第七条第一項第六号ニの家賃等の前払金の算定の基礎として想定した入居者が入居する期間が経過するまでの間に契約が解除され、又は入居者の死亡により終了した場合(前号の場合を除く。)にあっては、当該期間
2 法第七条第一項第六号ホの国土交通省令・厚生労働省令で定める方法は、次に掲げるものとする。
一 前項第一号に掲げる場合にあっては、法第六条第一項第十二号の家賃等(以下単に「家賃等」という。)の月額を三十で除した額に、入居の日から起算して契約が解除され、又は入居者の死亡により終了した日までの日数を乗じる方法
二 前項第二号に掲げる場合にあっては、契約が解除され、又は入居者の死亡により終了した日以降の期間につき日割計算により算出した家賃等の金額を、家賃等の前払金の額から控除する方法
(法第七条第一項第六号ヘの国土交通省令・厚生労働省令で定める理由)
第十三条 法第七条第一項第六号ヘの国土交通省令・厚生労働省令で定める理由は、次に掲げるものとする。ただし、当該理由が生じた後に、入居者及び登録事業者が居住部分の変更又は入居契約の解約について合意した場合は、この限りでない。
一 入居者の病院への入院
二 入居者の心身の状況の変化